ニュージーランドの暮らしと子育て、日々のメモ

30代後半から、2人の子どもと夫婦の4人家族で海外移住しました。現在はニュージーランドのオークランドに住んでいます。

ニュージーランドの小学校教育 その2

前回のブログで、私が感じたニュージーランドの小学校の特徴を以下のように紹介しました。

・学習コンテンツよりも、メタ学習

・主体的な学びの重視

・デジタルデバイスの使用

・異年齢の交流と教え合い

主体的な学びの重視とは、教科書などのコンテンツありきではなく、先生が子どもたちの様子を見て、教材を用意します。学んだことを使用もしていきます。例えば昨年、小学校でイベントがありました。Year5,6が企画したゲームやアクティビティをYear0から4が楽しむというものでした。チームに分かれ、ゲームを用意して売上を競います。ニュージーランドでは学校の運営費用に充てるため、学校や保護者、生徒がお金を稼ぐFundraisingのイベントがよく行われます。

長男は算数が得意だからとaccountantに選ばれました。accountantは学校からもらった予算を管理し、必要なものを先生とクラスリーダーと一緒に近くのスーパーなどに買いに行き、売上を計算し、利益がどれだけあったかを報告したそうです。すごく嬉しそうに自信を持って取り組んでいました。

イベント当日は、集会所に集まって各グループの宣伝を子どもたちがやっていました。衣装に凝るグループ、テレビCMのパロディをするグループ、歌とダンスをするグループ、どの子も恥ずかしがらず、堂々としていたのが印象的でした。

 

このように課題(ゲームを考えましょう、宣伝を考えましょう)を出し、あとは子どもたちが自由に考えるという活動が多いようです。

 

 

最近、特に盛んになってきたのがデジタルデバイスの活用です。子どもたちの通う小学校では低学年にはiPad、高学年にはクロームブックが貸し出されます。英語はReading eggs 、算数はProdigyというアプリで勉強しています。

readingeggs.co.nz

www.prodigygame.com

 子どもたちは楽しく、個別の進度に合わせて勉強できるので、良いのは良いですが、適当にやってしまったり、おまけのゲームのことばかり考えて肝心の内容が頭に入らなかったり、目や脳への影響などが心配です。

ライティングもPCを使用します。先生がキツネについての物語を読んでくれた後で、キツネの特徴や分布について調べ、まとめるという課題が出て、インターネットで調べ、Wordにまとめて、Google documentに公開してみんなで見せ合ったそうです。「今日、学校でライティングしたからお母さんにもシェアしといたよ!」などと報告してくれます。
インターネットで信頼できる情報の調べ方なども教えてくれるので、これは非常に役に立つ、実践的な内容であると思います。

 

 

異年齢の交流と教え合いについては、昨年、オランダの教育方法ということで話題になりましたが、ニュージーランドでも行われているようです。そもそも、学年別のクラスというものがありません。Year0-2、3&4、5&6と3つの学年グループに分かれています。ホームルームの時間も5年生と6年生が入り混じっていたり、ライティング、算数は習熟度別のグループがあるので、ホームルームでは一緒でないけどライティングで同じ、算数で同じグループだけど学年が違うなどのいろいろな友達ができるようです。数学でもグループワークがあったりして、わからないことを友達に聞いたり、自分がわかることを友達に教えてあげるのが「当たり前」だと思っているようで、そう思える環境に入られて良かったなと思います。

 

私は日本の教育を受けてきたので、どうしても日本と比べて、ここが足りない、ここはいいと考えてしまいがちですが、子どもたちはニュージーランドの教育しか受けたことがないので、これが当然だと思っています。

日本ではおやつの時間はない、自分の机と椅子が決められていてそこに座る、毎日宿題が出る、立ち歩いたり、床に寝転んで勉強してはいけないなどというと次男はびっくりしていました。

 

日本の教育には計算などの基礎学力をしっかりとつける良さがあります。ニュージーランドでは中学校から電卓を使って計算をするなど、計算力に重きを置いていないのですが、本当に大丈夫かなと心配になることがあります。家では漢字や日本語の本読み、百ます計算などをしているので、日本とニュージーランドの教育のいいとこ取りができればなと考えています。