ニュージーランドの暮らしと子育て、日々のメモ

30代後半から、2人の子どもと夫婦の4人家族で海外移住しました。現在はニュージーランドのオークランドに住んでいます。

子どもの仕事

我が家は子どもに月々のお小遣いはなし、お手伝いをしたらお小遣いがもらえる方式です。日本のように欲しいものがいろいろと売っている環境ではないので、子どもたちはほとんどお金を使いません。時々、日本食や韓国、中華系のスーパーでお菓子やジュースを買う程度です。ちょっと高価なものは誕生日やクリスマス、お年玉で買っています。

 

家族全員の洗濯物をたたむ、食事のときにお茶を入れたりお箸を出す、食事の後のお皿をさげる、のは子どもたちの役割なので毎日するけど、無料のお手伝いです。

 

肩たたきなどマッサージ、お皿を洗うというのが、主な収入源になっています。お父さんのために通訳をするというのも、最近ここに加わりました。

 

他には旅行に行くときにその土地のことをPCやiPadで調べたり、自分の荷造りは自分でするようになってきました。特に旅行に行くときの下調べは楽しいし、自分の調べたものが採用されると嬉しいようで、喜んでやっています。

 

お手伝いを嫌がることもありますが、お父さんもお母さんも仕事や家事で忙しいから、4人で協力しないとできないと説明すれば今のところは手伝ってくれます。子どもが楽しみながらいろいろなスキルを身につけられるよう、工夫していきたいけど最近は忙しくて全然できていません。

やりたいことが見つからなくても

海外に住んでいると、昔から海外でバリバリ働くのに憧れていたとか、ニュージーランドが大好きで住んでいるというように思われがちです。すごいですねとよく言われます。でも、流されてここまで来ちゃったという感じだったりします。

海外でしかできないことをやっていたり、やりたいことを突き詰めてニュージーランドに来ている人なんかを見かけると、眩しく思います。

 

子どもの将来のためには小さい頃から多様な文化の中で暮らして欲しいと考え、永住権が狙えそうなのはニュージーランドだと思ってきました。まあ、永住権は全然簡単ではないのですが、それでも他の国と比べてまだまだ「狙えそう」なのは事実であったりします。最初は子どもが学校になじめなかったり、手探りでのバイリンガル育児だったりしましたが、就職もして、子どもも大きくなって手がかからなくなり、ふと空いた時間に考えるようになりました。

 

私なんでここにいるんだろう。

ここで何しているんだろう。

 

日本で大好きだった仕事を辞め、ニュージーランドでは専門性が違うので、その仕事につくのは難しいです。今でも発達障害に関する本を、暇な時間に読んだりしています。いつかニュージーランドでもどこでも、また発達障害や、不登校の子どもたちと関われたらなという希望は持っていますが、なかなか難しいと思います。

 

「自分探し」が喧伝され、やりたいことを仕事にしている人が大きく取り上げられていると、私のようにやりたいこともできず、自分もあやふやなまま毎日を過ごしているのが肩身が狭く感じることもあります。近年の心理学では、アイデンティティは一度確立したらそれで終わりではなく、一生かけてそれを問い直し、発展させ、再構築して生涯発達すると言われています。特に私のような40代はアイデンティティの問い直しが始まり、中年期の危機を迎えるともされています。

 

若い頃はそんなもんなんだ、と思っていたこの理論、今読み直すと、ものすごく納得して読めます。やりたいことをやっていても、やっていなくても私はずっと私、と思えることもまた、アイデンティティの確立した状態と言えるのだろうなあと感じています。

 

ところで、長男の学校では何かテーマを決めてグループで調べて発表するというプロジェクト型学習がよく行われています。「人間の体と病気」というテーマで、息子が選んだのは何と、ADHDでした。私の読む本をのぞき込んだり、勝手に読んだり、いろいろ質問したりする長男が興味を持ってくれたようです。なんだかとても報われた気がしました。長男自身も診断はつかない程度ですがADHDの特徴を持っているので、自己理解も深まるのではと期待しています。

 

私はアスペルガー症候群ADHDの子どもにとっては海外留学は一つの選択肢になりうるのではないかという実感を持っています。

・決まった自分のデスクにずっと座っているわけではなく、床に寝転んだり、好きな姿勢で勉強できることが多い

・指示が明確

タブレット学習など、視覚的サポートがあることが多い

・持ち物や提出物が少ないので、忘れ物をする機会がない

・「空気を読む」習慣がないので、「空気を読めない」と非難されることがない

・集団行動が少ない

など、長男にはかなりいい環境で過ごせたのではないかと思います。

 

いつか、海外で育つ子どものアイデンティティの様相と、海外で中年の危機を迎えた人のアイデンティティ再編について、研究してみたいと思っています。

 

風邪ひいていました 主夫のいる生活

風邪をひいてしまい、間が空いてしまいました。

海外に住むと決めた時、マレーシア就職エージェントさんに私と夫の履歴書を見てもらい、どちらがマレーシア就職の可能性が高いか聞きました。私は妊娠出産の度に仕事を辞めて短い職歴しかなく、夫は専門学校を卒業してずっとグラフィックデザイナーをしています。しかし、海外では学歴が高い方がビザが取りやすく、さらに英語ができる私の方が就職に有利ということで、私が中心になって就職活動をすることになりました。

 

マレーシアに引っ越してから、現在に至るまで、夫は主夫をしています。もともと、夫はマレーシアに行く2年ほど前から自営になっており、時々料理を作ったりはしてくれていましたが、専業主夫になってからは大変だったと思います。最初は料理がうまくいかず、途中まで作って「後はやって」と言われたこともあります。2歳と6歳の子どもの面倒を見るだけでも大変なのに、言葉も習慣も食べ物も違うマレーシアでの生活、今思い出してもよくがんばったなと思います。

 

夫が主夫になってから、すごく私に共感してくれるようになった気がします。家事も自然に分担できる。私がお皿を洗っているから自分は洗濯をしようと自分で考えてやってくれるし、家事の大変さも分かり合えます。時々、ママ友との会話みたいと思います。料理作るのはいいけど、献立を考えるのが嫌だよね、わかるー!とか、布団カバー洗って、またつけるの本当にめんどくさいという会話でものすごく盛り上がります。

 

私が風邪で寝込んでいると、以前は子どもが何度も私のベッドへ来たものですが、今回はほとんど来ませんでした。全て夫と自分たちでできるから、私のところにわざわざ来る必要がなかったのでしょう。寂しいような、嬉しいような気持ちでした。

 

日本では男は外で働き、女が家で家事と子育てをするという性別役割感がまだまだ根強いですが、私たちはその時その時の状況に合わせて役割を柔軟に変えてきました。

 

私は妊娠すると切迫早産になってしまう体質らしく、3人とも自宅安静からの3か月入院を経験、その度に夫の家事能力が上がって行きました。3人目の時は夫が自営になっていたこともあり、里帰り出産をせずに、夫が長男の面倒を見ながら仕事もしていました。今は夫が家で家事、育児をし、私が外で働くというスタイルをとっています。掃除も洗濯も料理も完璧にしてくれるので、私は時々夕食後の皿洗いをし、休日に家事をする程度です。もっと家事をしなければと思うこともあるくらいです。

日本に帰った時に夫が専業主夫だというと驚かれますが、その時その時の必要に合わせて、家族メンバーそれぞれが必要な役割を果たす今の形が、私は合理的で気に入っています。それにしても、体格もがっしりしていていかにも「男らしい」タイプの夫が、嬉しそうにスーパーのセールでこんなに安く買えた!と喜んでいるのを見るのはまだまだおもしろいものです。

 

ニュージーランドの小学校教育 心配なところ

ニュージーランドの教育で心配なところもあります。

1)計算をほとんどしない、算数があまり進まない
ニュージーランドではintermediateになれば、算数で電卓を使うのが一般的です。日本のように繰り返しドリルで何度も計算問題を解くことはありません。かけ算ならかけ算の考え方がわかったら、はい次、と進んでいきます。だから2けたかける3けたのかけ算ができる長男なんかはamazing!と言われます。

計算は電卓やアプリでできるから、それよりも考える力を伸ばす方に注力するということなのでしょうが、それでもやっぱり不安になります。事実、アジア系、特に中国の方は塾に通わせている方が多いそうです。うちもまだ日本に帰る可能性もあるので、日本の教科書についていけるようにはしています。次男は脱落気味ですが。

算数の進度も遅いです。日本で小学校6年生にあたる長男は学校でついこの間まで2けたたす2けたの足し算を勉強していたそうです。3者面談では平均より3段階進んでいると言われましたが、そりゃそうだよねと思いました。

 

2)虫歯になりやすい
日本では虫歯がなかった子供たちでしたが、ニュージーランドに来て虫歯になってしまいました。原因と思われるのは、Morning Teaと呼ばれるおやつ。ニュージーランドの学校では午前10時くらいにおやつを食べる時間があります。野菜や果物でも良いのですが、やっぱり友達がお菓子を持ってきている中、自分だけ野菜や果物は嫌がります。そうするとどうしてもクッキーなどを持たす羽目に。なるべく甘いものばかりにならないようにせんべい(rice crackerという、薄焼きせんべいみたいなものが売っています)なども入れていますが、食後の歯磨きもないので、やはり虫歯になってしまいました。今後もまだまだ心配です。

 

3)骨を折っている子がたくさんいる!?

これはなぜかわかりませんが、骨を折っている子どもをたくさん見かけます。Kiwiは木登りも好きだし、ちょっと荒っぽい遊びが好きというか向こう見ずというようなところがあるようなので、そのせいなんでしょうか。私の手のひらより大きな石を投げて遊んでいたり、ハチの巣に石を投げていたり、裸足でサッカーしていたり(普通のサッカーボールで)、色々と見かけました。長男は純日本人!という感じで結構慎重派なので、そうそう危ないことはしないし、小さい子どもが危ないことをしていたら注意します。でも、2歳から海外で育っている次男はちゃんと危険なことがわかっているのか、不安です。

 

心配なこともありつつ、日本にいたらまた別の心配があっただろうなあと思います。うちの息子たちの場合、日本にいた方が心配が多そうなので、ニュージーランドの学校の良い部分もきになる部分も認識しながら、うまく付き合っていきたいと思います。

 

ニュージーランドの小学校教育 その2

前回のブログで、私が感じたニュージーランドの小学校の特徴を以下のように紹介しました。

・学習コンテンツよりも、メタ学習

・主体的な学びの重視

・デジタルデバイスの使用

・異年齢の交流と教え合い

主体的な学びの重視とは、教科書などのコンテンツありきではなく、先生が子どもたちの様子を見て、教材を用意します。学んだことを使用もしていきます。例えば昨年、小学校でイベントがありました。Year5,6が企画したゲームやアクティビティをYear0から4が楽しむというものでした。チームに分かれ、ゲームを用意して売上を競います。ニュージーランドでは学校の運営費用に充てるため、学校や保護者、生徒がお金を稼ぐFundraisingのイベントがよく行われます。

長男は算数が得意だからとaccountantに選ばれました。accountantは学校からもらった予算を管理し、必要なものを先生とクラスリーダーと一緒に近くのスーパーなどに買いに行き、売上を計算し、利益がどれだけあったかを報告したそうです。すごく嬉しそうに自信を持って取り組んでいました。

イベント当日は、集会所に集まって各グループの宣伝を子どもたちがやっていました。衣装に凝るグループ、テレビCMのパロディをするグループ、歌とダンスをするグループ、どの子も恥ずかしがらず、堂々としていたのが印象的でした。

 

このように課題(ゲームを考えましょう、宣伝を考えましょう)を出し、あとは子どもたちが自由に考えるという活動が多いようです。

 

 

最近、特に盛んになってきたのがデジタルデバイスの活用です。子どもたちの通う小学校では低学年にはiPad、高学年にはクロームブックが貸し出されます。英語はReading eggs 、算数はProdigyというアプリで勉強しています。

readingeggs.co.nz

www.prodigygame.com

 子どもたちは楽しく、個別の進度に合わせて勉強できるので、良いのは良いですが、適当にやってしまったり、おまけのゲームのことばかり考えて肝心の内容が頭に入らなかったり、目や脳への影響などが心配です。

ライティングもPCを使用します。先生がキツネについての物語を読んでくれた後で、キツネの特徴や分布について調べ、まとめるという課題が出て、インターネットで調べ、Wordにまとめて、Google documentに公開してみんなで見せ合ったそうです。「今日、学校でライティングしたからお母さんにもシェアしといたよ!」などと報告してくれます。
インターネットで信頼できる情報の調べ方なども教えてくれるので、これは非常に役に立つ、実践的な内容であると思います。

 

 

異年齢の交流と教え合いについては、昨年、オランダの教育方法ということで話題になりましたが、ニュージーランドでも行われているようです。そもそも、学年別のクラスというものがありません。Year0-2、3&4、5&6と3つの学年グループに分かれています。ホームルームの時間も5年生と6年生が入り混じっていたり、ライティング、算数は習熟度別のグループがあるので、ホームルームでは一緒でないけどライティングで同じ、算数で同じグループだけど学年が違うなどのいろいろな友達ができるようです。数学でもグループワークがあったりして、わからないことを友達に聞いたり、自分がわかることを友達に教えてあげるのが「当たり前」だと思っているようで、そう思える環境に入られて良かったなと思います。

 

私は日本の教育を受けてきたので、どうしても日本と比べて、ここが足りない、ここはいいと考えてしまいがちですが、子どもたちはニュージーランドの教育しか受けたことがないので、これが当然だと思っています。

日本ではおやつの時間はない、自分の机と椅子が決められていてそこに座る、毎日宿題が出る、立ち歩いたり、床に寝転んで勉強してはいけないなどというと次男はびっくりしていました。

 

日本の教育には計算などの基礎学力をしっかりとつける良さがあります。ニュージーランドでは中学校から電卓を使って計算をするなど、計算力に重きを置いていないのですが、本当に大丈夫かなと心配になることがあります。家では漢字や日本語の本読み、百ます計算などをしているので、日本とニュージーランドの教育のいいとこ取りができればなと考えています。

 

ニュージーランドの小学校の特徴

ニュージーランドの小学校に長男は年齢相応のYear4で入学しました。

マレーシアの小学校では毎日英語で授業を受けていたので、問題ないだろうと思っていましたが、ニュージーランドの高速英語の洗礼を受け、「みんなの英語がわからん」と言い、なかなか学校になじめない日が続きました。

 

せっかくマレーシアの学校で友達もできて楽しくしていたのに、またニュージーランドで辛い思いをさせていると思うと、本当に辛かったです。でも、同じ小学校にいた日本人の子と仲良くなってからだんだんと学校が楽しくなり始め、弟が入ってさらに心強くなったようでした(弟はすぐにキウィの友達ができたので、お兄ちゃんが毎日クラスに来て嫌だと言ってましたが...)。

 

日本と比べてニュージーランドの小学校は、以下の特徴があるように私には思えました。

・学習コンテンツよりも、メタ学習

・主体的な学びの重視

・デジタルデバイスの使用

・異年齢の交流と教え合い

 

ニュージーランドの教育の話を日本人の方にしてびっくりされるのは、試験がほとんどないことです。高校入試も大学入試もありません。公立校の子どもたちが初めて試験らしい試験を受けるのは、Year9(中学2年生)くらいではないかと思います。小学校から高校までは公立なら、自分の住んでいる場所で決められた校区の学校に行きます(余談ですが、いい学校のあるエリアは家賃が高いが治安もいいという傾向がありますので、家探しの時には子どもがいなくても校区の学校のランクであるDecileを参考にして家探しをするのがオススメです)。高校生に当たるYear11から13の間にNCEAと呼ばれる、各科目の全国統一試験を受け、そこで得られる優良可のような評価を入学したい大学に申請し、入れるかどうかが決まります。一発勝負の日本の入試よりも、よほど合理的な気がします。

 

だから、大学受験や高校受験、中学受験のようなプレッシャーはなく、全体的にのんびりした学生生活を送っているように感じます。小学校のことしかまだあまりわかりませんが、普段も、夏休みなどの長期の休みも宿題は一切ありません。点数をつけられるということもありません。

 

また、日本の教育では学ぶ内容を重視します。例えば、掛け算は2年生で学習し、2年生の間に身につけなければならないと考える方が多いのではないでしょうか。そのためにその学年で何を教えるか、どういうふうに教えるかが事細かに決まっており、全国どこででも同じく質の高い教育を受けられるように、教科書も決められています。ニュージーランドでは、学ぶ内容よりも子どもの興味や意欲を引き出すことを重視しているように思います。教科書もありません。ナショナルカリキュラムという教育内容を定めたものがあり、ナショナルスタンダードというこの年齢にはこういうことができるようになっているというゴールが定められています。しかし、そのゴールをどのように生徒に到達させるかというアプローチは先生や学校に委ねられています。どんな道を通っても、ゴールに着けばそれでいいのです。

 

ニュージーランドでは前回書きましたラーニングストーリーのような、学んだことを振り返らせたり、ある活動から何を学んだかを生徒自身に考えさせる機会が多く設けられています。このように学習のやり方を学習させる「メタ学習」を重視しているのではないかと思います。子どもたちは自分で法則を発見し、それを友達とシェアすることで学びが広がり、そしてどのように学ぶかを身につけていきます。

 

ちょっと長くなってきたので、今日はここで終わりにします。

もともと教育に興味があるので、ニュージーランドのユニークで効果的な教育方法についてもっと詳しく学んでみたいなあと思っています。そう、永住権が取れたらね。

 

ニュージーランドの教育は?

今日はニュージーランドの教育について書きたいと思います。

まずはデイケアについて。ニュージーランドは5歳の誕生日の翌日から小学校に入学することができますが、ニュージーランドに来たのは次男が4歳9ヶ月の時。5歳になるまではデイケアに入れようと考え、ちょうど長男が通う予定の小学校のすぐ隣にあったデイケアに見学に行きました。

 

こじんまりとしていて、園庭も狭かったのですが、先生たちがとにかく明るく、子どものことをよく見ていてくれている印象で、すぐにそこに決めました。アイランダー系(サモアやトンガ出身の人のこと)や中華系、インド系の先生などがいました。

 

一番驚いたのは、先生が子どものいいところを見つけて、何でも褒めてくれること。見学に行った日、プレイマットの上で遊ぶのに靴を脱いで上がった次男を見て、先生が他の先生を呼びに行き、「見て〜!この子、マットに上がるのに靴を脱いでるよ。cuteね〜!」「わー、本当。cuteだわ〜」という話で盛り上がっていました。そんな感じで、先生は子どものやることをにこにこしながら見守っていることが多いように思いました。

 

日本のようにカリキュラムや、昼寝の時間、工作の時間と決まっているわけではなく、朝から先生が誰かのリクエストで小麦粉粘土を作っていたり、植物の種を植えたからと持って帰ってきたりしていました。みんな好きなことをして遊んで、うまくいかないと先生が手伝ったりしていたようです。電源が入っていない、壊れたパソコンのキーボードを叩いてお仕事ごっこをしたり、小さい子のお世話をしたり、砂場遊びをしたり、保護者が寄付した裏紙にお絵かきをしたり、本当に「のびのび」という言葉がぴったりでした。子どもたちは基本的に褒められ、励まされることが多いようでした。しかもそれをにこにこ、オーバーなリアクションでお迎えの時に報告してくれるので、こちらも嬉しくなってしまいます。例えば「数字が20まで書けるなんてamazing!」「自分のカバンをかける場所を覚えて、一生懸命そこにかけようとしていてかわいかった」などと言って褒めてくれます。

 

日本なら「もうすぐ5歳だからできて当たり前」と言われそうな、取るに足らないことばかりなのですが、それを見つけて褒めることで、子どもはどんどん自信をつけていくのだと思いました。

 

実は私は、日本では発達障害、知的障害の子どもに関わる仕事をしていました。私はお母さんと話をする際、まず子どもを褒めることから始めていました。「前より随分できることが増えましたね」「今日はずっとイスに座ってがんばれて、すごかったですよ」。そうすると、子どももお母さんもすごく喜んでくれます。普段、子育てをしているとできないことにばかり目がいってしまうのですが、子どものできるようになったことだけでなく、できることにも目を向けて、それを認めていくことは、特に小さな年齢の子どもとその保護者にとって本当に必要なことだと感じています。

 

アイランダー系の先生がウクレレが得意で、マオリ語の歌や英語の歌をよく歌ってくれました。絵本もよく読んでくれ、次男は歌と絵本の時間が大好きだったようです。

 

2ヶ月ほど過ごしたある日、先生にこれから小学校に行く準備をしましょうと言われました。何をするのかと思ったら、週に1回ランチを持参して、ランチボックスを開けて自分で食べ、片付ける練習をしますと言われました。次男は意気揚々とランチを持って行き、たくさん食べて、きちんと片付けて帰ってこれました。すぐに先生たちからもお墨付きをもらいました。

 

卒業時には「ラーニングストーリー」と呼ばれる、デイケアでの生活を先生が書いてくれたものをもらいました。表紙は次男の写真と、大好きな恐竜を組み合わせたデザインで、本当に真心がこもった、大事に見てもらっていたことを感じさせる温かいものでした。それからも、小学校の登下校で前を通るといつも声をかけたり、手を振ってくれます。いいデイケアに出会えて本当に良かったと思いました。

 

実は、次男は英語がほとんど分かっていませんでした。マレーシアでは英語教育のデイケアに行っていましたが、最初は長男と一緒にいたし、長男が卒園してからは、日本育ちで日本語しか話せないマレー人の子と仲良くしていたので、ほとんど日本語を話していたのです。でも友達と遊びたいという気持ちが強く、英語がわからないなりにデイケア生活を楽しんでいました。

 

ニュージーランドでは幼稚園や保育園に統一されたカリキュラムはありません。園や先生の方針をしっかり確かめることは重要でしょうが、どこでも温かく見守ってくれ、のびのび遊べる環境があると思います。