ニュージーランドの暮らしと子育て、日々のメモ

30代後半から、2人の子どもと夫婦の4人家族で海外移住しました。現在はニュージーランドのオークランドに住んでいます。

ニュージーランドの教育は?

今日はニュージーランドの教育について書きたいと思います。

まずはデイケアについて。ニュージーランドは5歳の誕生日の翌日から小学校に入学することができますが、ニュージーランドに来たのは次男が4歳9ヶ月の時。5歳になるまではデイケアに入れようと考え、ちょうど長男が通う予定の小学校のすぐ隣にあったデイケアに見学に行きました。

 

こじんまりとしていて、園庭も狭かったのですが、先生たちがとにかく明るく、子どものことをよく見ていてくれている印象で、すぐにそこに決めました。アイランダー系(サモアやトンガ出身の人のこと)や中華系、インド系の先生などがいました。

 

一番驚いたのは、先生が子どものいいところを見つけて、何でも褒めてくれること。見学に行った日、プレイマットの上で遊ぶのに靴を脱いで上がった次男を見て、先生が他の先生を呼びに行き、「見て〜!この子、マットに上がるのに靴を脱いでるよ。cuteね〜!」「わー、本当。cuteだわ〜」という話で盛り上がっていました。そんな感じで、先生は子どものやることをにこにこしながら見守っていることが多いように思いました。

 

日本のようにカリキュラムや、昼寝の時間、工作の時間と決まっているわけではなく、朝から先生が誰かのリクエストで小麦粉粘土を作っていたり、植物の種を植えたからと持って帰ってきたりしていました。みんな好きなことをして遊んで、うまくいかないと先生が手伝ったりしていたようです。電源が入っていない、壊れたパソコンのキーボードを叩いてお仕事ごっこをしたり、小さい子のお世話をしたり、砂場遊びをしたり、保護者が寄付した裏紙にお絵かきをしたり、本当に「のびのび」という言葉がぴったりでした。子どもたちは基本的に褒められ、励まされることが多いようでした。しかもそれをにこにこ、オーバーなリアクションでお迎えの時に報告してくれるので、こちらも嬉しくなってしまいます。例えば「数字が20まで書けるなんてamazing!」「自分のカバンをかける場所を覚えて、一生懸命そこにかけようとしていてかわいかった」などと言って褒めてくれます。

 

日本なら「もうすぐ5歳だからできて当たり前」と言われそうな、取るに足らないことばかりなのですが、それを見つけて褒めることで、子どもはどんどん自信をつけていくのだと思いました。

 

実は私は、日本では発達障害、知的障害の子どもに関わる仕事をしていました。私はお母さんと話をする際、まず子どもを褒めることから始めていました。「前より随分できることが増えましたね」「今日はずっとイスに座ってがんばれて、すごかったですよ」。そうすると、子どももお母さんもすごく喜んでくれます。普段、子育てをしているとできないことにばかり目がいってしまうのですが、子どものできるようになったことだけでなく、できることにも目を向けて、それを認めていくことは、特に小さな年齢の子どもとその保護者にとって本当に必要なことだと感じています。

 

アイランダー系の先生がウクレレが得意で、マオリ語の歌や英語の歌をよく歌ってくれました。絵本もよく読んでくれ、次男は歌と絵本の時間が大好きだったようです。

 

2ヶ月ほど過ごしたある日、先生にこれから小学校に行く準備をしましょうと言われました。何をするのかと思ったら、週に1回ランチを持参して、ランチボックスを開けて自分で食べ、片付ける練習をしますと言われました。次男は意気揚々とランチを持って行き、たくさん食べて、きちんと片付けて帰ってこれました。すぐに先生たちからもお墨付きをもらいました。

 

卒業時には「ラーニングストーリー」と呼ばれる、デイケアでの生活を先生が書いてくれたものをもらいました。表紙は次男の写真と、大好きな恐竜を組み合わせたデザインで、本当に真心がこもった、大事に見てもらっていたことを感じさせる温かいものでした。それからも、小学校の登下校で前を通るといつも声をかけたり、手を振ってくれます。いいデイケアに出会えて本当に良かったと思いました。

 

実は、次男は英語がほとんど分かっていませんでした。マレーシアでは英語教育のデイケアに行っていましたが、最初は長男と一緒にいたし、長男が卒園してからは、日本育ちで日本語しか話せないマレー人の子と仲良くしていたので、ほとんど日本語を話していたのです。でも友達と遊びたいという気持ちが強く、英語がわからないなりにデイケア生活を楽しんでいました。

 

ニュージーランドでは幼稚園や保育園に統一されたカリキュラムはありません。園や先生の方針をしっかり確かめることは重要でしょうが、どこでも温かく見守ってくれ、のびのび遊べる環境があると思います。